サービス提供事業者は、都道府県や市町村から指定を受けなければ開業ができません。
施設は、認可が下りないと建物だけあっても開業ができません。
覚えることが多いので関連さして整理して覚えていきましょう。
- サービス提供事業者とは
- 指定をするのはだれか
- どうやって指定されるのか
- みなし指定とは
- 指定の特例とは
- 指定の要件
- 指定の調整、事業者の供給が過剰にならないように
- 指定の更新
- 事業の基準
- 指導・監督はだれがするのか
- 指定の変更・廃止の届出
- 指定の取消になる時や指定の効力が停止になる時
- 公示されるのはいつ、なにを
- 基準該当サービス事業者
- 相当サービス事業者
- 介護保険施設とは
- 介護保険施設の種類、認可、許可、管理者等
サービス提供事業者とは
介護保険の保険給付の対象となるのは、原則として指定を受けたサービス提供事業者・施設によるサービスです。
事業者は、都道府県知事または市町村長に申請を行い、その指定を受けることでサービスを行うことができます。
指定はサービスの種類ごとに個々の事業者ごとに行われます。
種類 | 指定期間 |
指定居宅サービス事業者 | 都道府県知事 |
指定居宅介護支援事業者 | 市長村長 |
指定介護予防サービス事業者 | 都道府県知事 |
施設サービス事業者(介護保険施設) | 都道府県知事 |
指定介護予防支援事業者 | 市長村長 |
指定地域密着型サービス事業者 | 市長村長 |
指定地域密着型介護予防サービス事業者 | 市長村長 |
指定居宅介護支援事業者は、2017(平成29)年度までは、都道府県知事に指定権限がありましたが、2018(平成30)年度より、市町村長に移行しています。
事業者指定等に対する保険者の関与
居宅サービスと介護予防サービスの指定にかかる権限は都道府県知事にありますが、2017(平成29)年の介護保険法改正により、市町村は都道府県知事が行うすべての居宅サービス・介護予防サービスにかかる指定に際して意見を提出することができる。
都道府県知事は、市町村の意見を踏まえて指定居宅サービス事業者等の指定をする際に事業者に必要な条件を付すことができる。
居宅サービス提供事業者の指定特例
健康保険法による保険指定医療機関と保険指定薬局、介護保険法による介護老人保健施設は、以下の居宅サービスに対して介護保険法による指定があったものとみなされ、個別の指定申請は不要になります(みなし指定)。
施設 | 対象となるサービス |
保険指定病院・診療所 | 居宅療養管理指導、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション |
保険指定薬局 | 居宅療養管理指導 |
介護老人保健施設 介護医療院 | 短期入所療養介護、通所リハビリテーション |
共生型居宅サービス事業者の指定特例
2017年(平成29)年オ介護保険法改正により、2018(平成30)年度に介護保険制度、障害福祉制度(障害者総合支援法、児童福祉法)に共生型サービスが創設され、
障害福祉サービス事業者等であれば介護保険事業者の指定も受けやすくする特例で、逆の場合も同じです。通常よりも緩和された「共生型サービスの基準」を設けている。
介護保険サービス | 障害福祉サービス |
訪問介護 | 居宅介護 重度訪問介護 |
通所介護 地域密着型通所介護 | 生活介護 自立訓練(機能訓練・生活訓練) 児童発達支援 (主として重症心身障害者等を通わせる事業所を除く) 放課後等デイサービス (主として重症心身障害者等を通わせる事業所を除く) |
短期入所生活介護 介護予防短期入所生活介護 | 短期入所 |
指定の要件等
指定の要件等
申請を受けたサービスの供給量が需要を上回っている場合、または指定をすることにより受領を上回ると予想される場合は、都道府県知事または市町村市長は指定をしないことができる。
市町村協議制 → 市町村内の定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小希望多機能型居宅介護等の普及
⇒市町村長は、都道府県知事が訪問介護、通所介護、短期入所介護(2018・平成30年から)の指定をしようとしている場合協議を求め指定をしない、または指定に必要な条件を付す。
地域密着型通所介護事業者の増加
⇒市町村が、一定の条件下で地域密着型通所介護の指定を拒否することができる。
指定の更新
指定の有効期間 : 6年
更新の時期 : 有効期間の満了前
更新の起算日 : 有効期間の満了日の翌日
事業の基準
サービス提供事業者の事業の基準は各地方自治体が条例で定める。
条例が定める基準には、従うべき、標準とする、参酌すべき基準がある。
従うべき基準 | 条例の内容は、国の基準に従わなければならない 地域の実情に応じて国の基準の強化は許容されるが異なる内容は不可 |
標準とする基準 | 条例の内容は、国の基準を標準とする範囲内でなければならない 合理的な理由のある範囲内で、地域の実情に応じて国の基準の強化、追加等、異なる内容も許容 |
参酌すべき基準 | 条例の内容は、国の基準を十分参酌しなければならない 地域の実情に応じて国の基準の強化、追加等、異なる内容も許容 |
指導・監督等
変更・廃止の届出等
届出場所 : 都道府県知事、市町村長
事業所の名称や所在地に変更 : 10日以内
休止した事業を再開 : 10日以内
事業の廃止・休止 : 1か月前まで
指定の取消・効力停止
権限行使 : 都道府県知事、市町村長
公示
基準該当サービス事業者/相当サービス事業者
基準該当サービス事業者
認定者 : 市町村
基準該当サービスの事業基準
⇒ 居宅サービス、介護予防サービスは都道府県
⇒ 居宅介護支援、介護予防支援は市長村
厚生労働省令に基づいて条例を定める
相当サービス事業者
基準該当サービスと相当サービスの扱い
「事業指定」されているわけではないので
「指定更新」がない
基準該当サービスには繰り返し使われる場合、
事業者の登録制度を設けている市町村が少なくない
介護保険施設
- 介護老人福祉施設
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- 介護療養型医療施設(経過措置、新設できない)
指定介護老人福祉施設
関係法規 | 老人福祉法 |
認可 | 都道府県知事が認可 設置認可が指定の前提条件 認可をするにあたって関係する市町村長の意見を求める 都道府県老人福祉計画の達成に支障がある時は認可しない |
事業主体 | 国、地方公共団体、独立行政法人、社会福祉法人 |
廃止 | 指定の辞退をする |
介護老人保健施設
許可 | 都道府県知事が許可 許可をするにあたって関係する市町村長の意見を求める 開設許可と指定を受けることになる 都道府県介護保険事業支援計画の達成に支障があれば許可しない |
開設者 | 地方公共団体、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人 厚生労働大臣が定めるもの(国、日本赤十字社、健康保険組合、共済組合等) |
管理者 | 医師(都道府県知事の承認を受け、医師以外のものに管理させることができる) |
介護医療院
創設 | 2017(平成29)年の法改正 |
開設者 | 地方公共団体、医療法人、社会福祉法人 |
許可 | 都道府県知事が許可 |
管理者 | 医師(介護保険施設同様、医師以外の者も可) |
医療法では、医療提供施設に位置づけられる。
指定介護療養型医療施設(経過措置)
施設 | 療養病床と老人性認知症疾患療養病棟を有する病院 |
指定 | 都道府県知事 |
許可 | 医療法の許可が指定の前提条件 療養病床等の入所定員を明らかにする必要あり |
廃止される | 2024(令和6)年3月末までに他の施設に転換 2012(平成24)年4月以降新規の指定を受けてない |
まとめ
- 指定事業者は、介護サービスに応じて市町村長や都道府県知事から指定を受ける
- 指定事業者数は、市町村や都道府県知事の間で連絡を取り合い増加し過ぎないようにしている
- 元々、病院や薬局、介護老人保健施設を運営していると申請不要のサービスがある
- 障害福祉サービス事業者等であれば介護保険事業者の指定も受けやすくする特例がある
- 指定事業者の指定要件、指定の更新、事業の基準、指導監督等の権限、変更・廃止の届出等、指定の取消・効力停止、公示が法令で定められている
- 基準該当サービス事業者、相当サービス事業者が認められているのは僻地で事業所を確保するためです
- 介護保険施設は、それぞれ役割があり人員配置も違う
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