感染症は、持病を持っていな方を危険にさらします。
インフルエンザ、ノロウイルス、大腸菌、新型コロナウイルスなど色々な感染症があります。
高齢者は、抵抗力が低く感染しやすいです。感染させないことが重要だと思います。
感染症の基礎
感染のしくみ
- 感染症とは、病原体が人体に侵入して細胞を障害し生理的機能障害を引き起こすことをいいます
- 感染症の予防は、感染源の排除、感染経路の遮断、宿主の抵抗力の向上が対策の柱になります
- 介護では、感染経路の遮断を意識する必要があります
標準予防策
感染経路の遮断の対策として、標準予防策(スタンダード・プリコーション)があります。
感染症の有無にかかわらず、すべての人の血液、汗を除く退役(唾液や腹水など)、分泌物、排泄物、傷のある皮膚などを感染源とみて、予防策を講じることをいう。
感染経路別の対策
標準予防対策に加え、特定の感染症あるいはその疑いのある患者には、感染経路別予防策を実施します。
感染経路 | おもな感染症 | 予防策 |
摂食感染 | ノロウイルス感染症、腸管出血性大腸菌感染症、疥癬など | 手指衛生、接触が予想される場合の防護具の着用と廃棄 |
飛沫感染 | インフルエンザ、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹など | マスクの着用 |
空気感染 | 結核、水痘、麻疹など | 高性能マスクの着用、個室管理 |
ノロウイルスにはアルコールが効きにくいため、ノロウイルス感染者の嘔吐物の処理の際は、次亜塩素酸ナトリウムを使います。
高齢者によくみられる感染症
呼吸器感染症
肺炎(誤嚥性肺炎を含む)、気管支炎、肺結核などを呼吸器感染症といいます。
尿路感染症
膀胱炎、腎盂炎など尿路に起こる感染症を尿路感染症といい、高齢者でもっとも多い感染症です。
褥瘡感染症
褥瘡から感染する褥瘡感染症は、敗血症の原因となることがある
敗血症
敗血症は、血液中に細菌が侵入し増殖している状態です。
高齢者では、尿路感染症から引き起こされる場合が多く胆道からの感染、褥瘡感染なども少なくありません。
高齢者施設で多くみられる感染症
抵抗力の少ない高齢者が暮らす施設では、感染症が広がりやすい傾向がある。
利用者、介護者などによって集団感染を起こす可能性が高いものとしてインフルエンザ、ノロウイルス感染症、疥癬や結核などがあります。
疾患名 | 特徴 | 予防法 |
インフルエンザ | 冬場に集団感染しやすい 症状:高熱、咳、のどの痛み、頭痛など | インフルエンザワクチンの予防接種 |
ノロウイルス感染症 | 冬場にカキなどの食中毒により、感染性胃腸炎を引き起こす。集団感染しやすい 症状:嘔吐、下痢、発熱など | 縮材を十分に加熱する。感染者の排泄物、嘔吐物は、塩素系消毒剤の次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒する。 |
疥癬 | ノルウェー疥癬は非常に感染力が強い 症状:腋窩、外陰部、手に発疹が生じかゆみを伴う | ガウン・手袋の着用。衣類や寝具は、他の利用者とは別にして毎日選択し乾燥機にかける。入浴の順番は最後にする。 |
結核 | 若年時に肺結核に罹患している場合、加齢による免疫低下で高齢になって再発することがある 症状:咳、痰、全身倦怠感、微熱、体重減少 | BCGワクチンの予防接種。換気、マスクの着用。 |
MRSA感染症 | 免疫機能の低下した子供や高齢者が発症しやすい 症状:感染部位によって異なり発熱、咳、痰、下痢など | 手洗い・うがいの徹底、マスク・手袋の着用 |
緑膿菌感染症 | 免疫機能の低下した人に感染しやすい 症状:呼吸器感染症、尿路感染症、褥瘡感染症、敗血症などを引き起こす | 手洗いの徹底、いりょきぐの適切な消毒、感染者、保菌者の個室管理 |
まとめ
- 感染症は感染経路の遮断して予防します
- 手指消毒は感染経路の遮断です
- 標準予防策は基本的な予防策です
- 感染症によって予防策が異なる
- 誤嚥性肺炎は、嚥下能力の低下で起きやすい
- 尿路感染症は、免疫低下や排泄介助時の衛生状態で起こる
- 褥瘡は、寝たきりの利用者で起きやすい
- インフルエンザ、疥癬、尿路感染症、誤嚥性肺炎は施設ではよくみられます
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