精神障害にも軽度から重度があります。軽度の精神疾患であれば在宅や施設での生活ができます。
精神障害のある方に対応するためには、知識が必要です。
- 高齢者に多い精神障害
- 高齢者以外でもある精神障害
- 精神障害のある高齢者の介護
高齢者の精神疾患の特徴
高齢者の精神疾患は、成人とは異なる特徴があります。
高齢者に多い精神障害
老年期うつ病
うつ病は、精神的なエネルギーが低下し、憂鬱管、悲哀感が高まり、全身倦怠感が生じて自発性がなくなる疾患です。
統合失調症
統合失調症は原因が明らかになっていない精神疾患で、幻覚や妄想、激裂思考などの陽性症状と、感情鈍麻や自閉、無気力などの陰性症状があります。
陽性症状とは、「本来はないものがあるように感じる(幻覚など)」症状
陰性症状とは、「本来はあるもの(感情や気力など)がなくなってしまう」症状
妄想性障害
老年期では、妄想中心の精神障害がよく発症する傾向があります。
妄想のテーマが現実生活を反映した限定的なものが多く、妄想の対象も身近な人間であることが多いのが特徴です。
妄想以外には日常生活に大きな破綻をきたすことが少なく、目につくような異常もありません。
理科と共感、あたたかな人間関係の構築などが薬物療法よりも効果的なことがよくあります。
アルコール関連障害
アルコール関連障害とは、アルコール飲用で引き起こされる身体的・精神的・社会的障害をいいます。
代表的なものは、アルコール依存症です。
せん妄
せん妄とは、夜間に多く起こり、意識混濁や幻覚(幻視が多い)、それらに基づいく妄想や興奮などの症状がでる。意識障害の1つで活動性が低下して、認知機能や見当識が低下する症状がみられることもあり、しばしば認知症と混同される。
精神に障害のある高齢者の介護
- 精神に障害のある高齢者の介護も基本は通常の高齢者の介護と同じ
- 精神疾患のある人は、それまでの生活体験のなかで偏見や差別にあった可能性があり関係性を築くのは難しい
- 自尊心の傷つきもあるので個別的な配慮が必要
- 服薬している場合、薬の影響でふらつき、めまい、便秘の副作用があり転倒防止に注意
- 押しつけにならない、本人に心地よい体験となるような支援を心がける必要がある
精神疾患がある場合の留意点
精神疾患 | 留意点 |
うつ病 | 自分で何かすることを勧めたり励ましたりすることは避け、自尊心を傷つけない配慮をしながら日常生活を支援する。 病気の初期や回復期の自殺企図に注意する |
統合失調症 | こだわりや妄想症状などの言動を制止すると興奮することがあるので、安全を最優先としてかかわる。安心感を届ける工夫をする |
アルコール依存症 | 身体疾患の治療を勧め、環境調整で飲酒機会を避けるようにする 断酒会やAAなどの自助グループへの参加継続を支援する 飲酒時のかかわりなどは避ける |
まとめ
- 高齢者の精神障害は珍しくありません
- うつ病のように意欲低下があります
- 統合失調症は生活が成り立たなくなり施設に入所します
- アルコール依存症の高齢者は生活ができなくなってしまい経済力がないと生活保護になることがあります
- せん妄は、精神病薬でなることもあり幻覚によりベッドの柵などで自傷されていることがあり注意が必要です
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