現役ケアマネの「おあしす」です。自分は認知症だと気付くことは難しいと思います。
よっぽど、健康管理して自分の異変に気付いて病院に行けば分かります。大概は、家族や周りの人が認知症に気付くことが多いです。
認知症という病気は、対応を知らないと理解できずに周囲の人は精神的に追い詰められます。
認知症でお困りの方に認知症の対応をしてきた現役ケアマネの「おあしす」が認知症の症状から認知症の対応、治療方法を解説します。
認知症の症状
- 物忘れがひどい
- 部屋を片付けられない
- 理解力が低く話が通じない
- 幻覚が見えたり、独り言が多い
- 徘徊するようになった
- 怒りっぽくなった
認知症の対応
認知症は、4つの種類があります。
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
それぞれの種類で特徴的な症状があります。
ここでは、種類より症状別の対応をご紹介します。
軽度の物忘れ、理解力低下で話が通じない
軽度の物忘れは、認知症の始まりです。また、質問をしているが返答に困るような様子があると認知症が進行しています。
対応方法として、認知症対応型デイサービスを利用して認知症の進行を遅くします。
認知症対応型デイサービス
通常のデイサービスと認知症対応型デイサービスの違いは、レクレーションやリハビリテーションで脳トレや体を動かす体操をして体と頭を動かしていきます。
レクレーションでは、手の運動として手芸をしたり囲碁将棋などのボードゲームをします。また、体を動かすことで脳が活性化され認知症の進行を遅くします。
ただ、レクレーションやリハビリテーションの内容は事業所によって違います。
そして、少人数制のデイサービスなので職員の対応が早く安心して利用者が過ごせます。認知症の方が不安になってもなだめてデイサービスを利用してもらえるような配慮が通常のデイサービスより手厚くなっています。
部屋を片付けられない
部屋を何度掃除しても部屋が散らかってしまうのは、認知症の症状であることがあります。
きれいな部屋であればきれいなままにすると思います。しかし、認知症の方は片付け方法が分からず散らかし続けます。
何か探し物をしていたとしても、どこに直したか分からず探し続けることになります。
部屋の片付けは、利用者が一人暮らしまたは、同居家族が介護認定を受けていると生活援助の訪問介護でしてもらえます。
訪問介護
ヘルパー(介護初任者研修を修了)が、自宅に訪問して介護をします。
介護には身体介護と生活援助があります。身体介護は、排泄介助や入浴介助などの身体に関わる介護のことをいいます。生活援助は、掃除洗濯や調理などをすることです。
生活援助は、同居家族が介護認定を受けていないと利用することができません。近くに家族が居住していても生活援助は制限されます。
身体介護は研修を受けた専門家がするものですが、生活援助は家事の延長になるので家族でもできることは家族がすることになりました。
認知症の方の訪問介護は、掃除洗濯などの生活援助が中心になります。認知症が軽度の方は、動けることが多いので身体介護をすることは少ないことが多いです。
徘徊したり一人暮らしができなくなった
認知症の症状で、幻視・幻聴があります。物忘れがあり家族を探すために外に出たり、幻視・幻聴で外出して自宅の周りをぐるぐる回るなどの徘徊することがあります。
また、遠くに来て自宅に戻れないなどのことがあると身の危険が伴います。
一人で暮らせないとなると施設入所か同居を考えないといけなくなります。家族の年齢が高いと同居も難しいと施設入所が現実的となります。
グループホーム又は有料老人ホーム等の介護施設
グループホームは、認知症対応型共同生活介護という介護サービスで簡単にいうと認知症患者が生活する老人ホームです。
入居条件として認知症であるという医師の診断が必要です。
認知症には、段階があります。軽度の認知症はリハビリテーションやレクレーションで疾患の進行を遅らせるようにします。
また、職員も認知症対応の研修を受けているので入居者も安心して暮らすことができます。
認知症の方は、不安な状態です。
想像してみてください。
記憶があやふやで理解力が低下して自分が何をしているのか分からず、記憶が無いので他人から言われたことについて納得がいかない状態が認知症です。
自分がもし、言いがかりのようなことを言われたら腹が立つと思います。引き出しに財布を入れたはずなのに引き出しになければ他人を疑うと思います。それが、「物盗られ妄想」なんです。
認知症には、対応方法があり、きちんと対応すれば落ち着いて生活する確率は上がります。
有料老人ホームでも認知症の方を受け入れています。しかし、グループホームに比べると認知症でない入居者と生活することになるので気を使うことがあります。
軽度の認知症であれば有料老人ホームでも十分生活できますが、重度の認知症の方はグループホームに入所した方がいいと思います。
認知症の治療
脳神経の増えるスピードが遅く、認知症時の脳神経は減少している状態です。
脳神経の数を維持するのが認知症の対処療法になります。
脳神経を活性化するのが手の運動や全身運動などの運動です。運動は、運動神経や脳の中枢神経を使用しています。体を動かすということは神経を動かしているのです。
神経を動かす、使うことで神経は増えようとします。
運動以外では脳トレドリルなどの脳を直接使う作業も認知症のリハビリテーションになります。
グループホームでは、事業所によりますが園芸、手芸、パズル、編み物、色塗り、体操、風船バレーなどのレクレーションをして脳の活動性をあげています。
運動療法は、有酸素運動でウォーキング、水泳、サイクリンリングで脳の血流を改善し認知機能を改善します。また、ヨガや軽いウエイトトレーニングも認知機能の改善には有効です。
音楽療法は、音楽を聴いたり演奏したりすることでストレスを軽減し、心地よい気分を促します。
アートセラピーは、絵を書いたり手工芸を楽しんだりすることで、創造性を刺激し認知機能を活性化させます。
有料老人ホームでもレクレーションをしていますが、入居者が認知症の方だけではないのでリハビリテーションやレクレーションを認知症専門ですることは事業所のやり方になると思います。
認知症対応型のデイサービスでも、認知症対応のリハビリテーションやレクレーションをすることができます。
まとめ
- 物忘れがひどい、部屋を片付けられない、理解力が低く話が通じない、幻覚が見えたり、独り言が多い、徘徊する、怒りっぽくなったなどの症状があると認知症の確率が高いです
- 軽度の物忘れや理解力低下がある場合は、認知症対応型のデイサービスで認知症の進行を遅らせます
- 部屋を片付けられない場合は、一人暮らしであれば訪問介護を利用することができます
- 徘徊が進行して一人暮らしができなくなったら施設の入所を検討しなければいけません
- 認知症の治療としては、脳トレ、運動療法、音楽療法、手芸などの手を動かすなどの手と脳を使うリハビリテーションや薬での治療があります
- 認知症の症状が出ている時にはリハビリテーションや投薬は必要な状態なのですぐに病院受診をする必要があります
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