現役ケアマネの「おあしす」です。
施設ケアマネとして一度はしてみたい特養のケアマネの仕事内容を徹底解説します。
施設ケアマネの人員基準では、ケアマネ一人で100人を担当できますが一人で100人となるとパターン化したケアプランでモニタリングや介護相談などフル回転しなければいけません。
100人を担当できる特養のケアマネは本当にできるのか仕事内容を徹底解説します。
- 特別養護老人ホームは、施設という閉鎖的な環境の中で、利用者の生活を24時間サポート
- 入所前のアセスメント
- 入所後のケアプラン作成
- サービス担当者会議の開催
- 他職種と連携
- 家族との連携強化
- モニタリング
- 介護保険の更新手続き等
- 入院・退院支援
- 終末期ケア支援
- 行政との連携
- 特養で100人を担当することは不可能です
- 特養のケアマネの仕事を解説しながら100人の担当ができない理由を解説
- 特養のケアマネは緊急性や重介護の方の相談をしなければいけない
- 入所前のアセスメントはこれからの生活プランを作るための情報収集
- 入所後のケアプラン作成は、修正しないように事前のアセスメントをしっかりする
- サービス担当者会議の開催は、貴重なので先のことも考えて進行できるようにする
- 他職種と連携は、必須のスキルでケアプランの実行には欠かせません
- 家族との連携強化は、信頼の獲得です
- モニタリングは、入居者の状態を観察する機会です
- 介護保険の更新手続き等の手続きの支援をしなければいけません
- 入院・退院支援は、大変です
- 終末期ケア支援は、自分も納得のいく支援をするべきです
- 行政との連携は、介護保険を使用していればついてきます
- 特養のケアマネのやりがいは、入居者のQOL向上です
- 特養のケアマネは法定業務に近い仕事です
- まとめ
特養で100人を担当することは不可能です
今は、家族の状況も入居者の状況も変わってきています。
昔の特養や介護業界は、閉鎖的でした。家族は、施設で何が起きているのか把握できていませんでした。今は、業界の中にいる人が情報発信をSNSでしているので施設の現状が少しは見えてきました。
今のご家族は、要求が高いと思います。
高齢者の面倒を見てくれたらいいと考えるご家族も見受けられますが、一部のご家族が過度の要求をされることがあります。
要求が高いということは、ケアマネに対する要求も増えるということです。
施設ケアマネなので現場の職員のことを考えると要求をそのまま受け入れることは難しいです。
ご家族やご本人とコミュニケーションを取りながら最善の方向に導くことは、すごい労力を使います。
それが、100人のうち20人もいれば日頃の書類業務が進みません。
だから、絶対100人の担当をすることはできないです。
特養のケアマネの仕事を解説しながら100人の担当ができない理由を解説
特養のケアマネは、100人は担当できなくても50人近く入居者を担当します。
どんな仕事をしなければいけないのか解説していきます。
特養のケアマネは緊急性や重介護の方の相談をしなければいけない
特養のケアマネは要介護3以上の方を担当することになります。要介護1と要介護3以上ではケアプランが変わってきます。
要介護3以上の方だと入退院が多く重い基礎疾患を抱えてらっしゃる方が多いです。
ケアプランの変更も多かったり、ケアプランの見直しをしないといけなくなります。
ご家族からも費用の相談や施設での生活の相談が舞い込むことが多いです。
また、看取りが多いのも特養です。
急変すれば必ず連絡が担当ケアマネに来ますのでケアマネは24時間体制の気持ちは必要です。
入所前のアセスメントはこれからの生活プランを作るための情報収集
特養では、入所の検討委員会が開かれます。そこで、入所が決まればケアマネは入所前のアセスメントを取りに行かなくてはいけません。
実際に、生活をする上でどんな介護サービスが必要か知る必要があります。必要な介護サービスや入居予定の方のニーズやご家族のご要望を聞き取らなければいけません。
入所後のケアプラン作成は、修正しないように事前のアセスメントをしっかりする
アセスメントをしたらケアプラン作成に入ります。課題分析をした上でケアプランを作成します。特養は施設内でサービスを提供するので現場の専門職に意見を聞きながら業務がスムーズにいくようにケアプランを作成します。
サービス担当者会議の開催は、貴重なので先のことも考えて進行できるようにする
入居をしたらその日ぐらいにサービス担当者会議を開催します。事前にご本人やご家族に要望を聞いていたり課題を聞き、ケアプランを作成しご本人に同意をもらわなければいけません。ケアプランに同意してもらえるようにケアプランを作成しなければケアプランを作り直すことになります。
入居者のこれからの生活を予想して課題を作ればすぐに解決しなくても貴重な情報になります。
延命するのか、どこの救急病院に搬送するのか、どんな生活がしたいかなどを事前に確認することは重要です。
他職種と連携は、必須のスキルでケアプランの実行には欠かせません
介護福祉士、機能訓練指導員、生活相談員、看護師、栄養士と連携をしながらケアプランを遂行していかなければいけません。同じ職場の仲間ではありますが、専門職の強みを活かして意見交換をしケアプランを遂行していき方向性が良くなければ修正します。
家族との連携強化は、信頼の獲得です
ご家族には、報告、連絡、相談をしっかりしなければ信頼を失うことになります。強い口調で不満が現れることがあります。入居者のためにしていることをしっかり伝えないとご家族は理解されることはないし、信頼を失うとケアがやりにくくなります。
モニタリングは、入居者の状態を観察する機会です
モニタリングは、3ヶ月に1回の頻度で入居者の状態を確認しなければいけません。ケアプランで目標を立てているので目標に沿って評価をすることになります。目標の達成状況でケアプランの見直しをすることになります。
介護保険の更新手続き等の手続きの支援をしなければいけません
介護保険の更新手続きから諸々の手続きのお手伝いをしなければいけません。介護保険の更新手続きは定期的にしなければいけないので入居者が多いと月に3件以上あることもあります。
また、要介護3より軽度の介護度になれば特養は退所しなければいけないので介護度の区分変更をしたり次の施設に転所する打ち合わせをご家族や他の施設としなければいけません。
入院・退院支援は、大変です
特養であるのが転倒事故での骨折や誤嚥性肺炎や尿路感染での発熱、心不全の症状や癌などの基礎疾患による体調不良による救急搬送や緊急入院が多いです。
ほとんどの場合、病院の相談員からサマリーや基本情報の情報提供を求められます。基本情報は作成していますが、サマリーは1から作成するので手間がかかります。
そして、入院したら退院の対応があります。
ほとんど、病院の相談員が移動手段や退院処方などを手配してくれるので退院時は、受け入れの準備をするだけです。
また、退院時にADLが入院前より変化したら生活に関わるサービスも変更しないといけないのでケアプランを作成しなければいけません。
終末期ケア支援は、自分も納得のいく支援をするべきです
特養は、「終のすみか」と言われます。最後の棲家なので最後まで過ごされる介護施設ということになります。
終末期にすることは多いのですが、決まってきます。
褥瘡対策、バイタルチェック、栄養摂取、排泄量の管理、痛みのコントロールなどです。
ケアマネの終末期ケアは、ご家族と方針を統一し終末期をどのように過ごしてもらうか意見交換していかなくてはいけません。
ご本人やご家族が納得のできるケアを提供できるように考えないといけません。
行政との連携は、介護保険を使用していればついてきます
行政が関わるのは、監査や新しい法律ができた時に行政に合法的な施設運営を指導してもらわなければいけません。
また、後見人の選定や生活保護の対応など行政と関わる機会は多いです。
介護保険を管轄する介護保険課には通わせてもらいます。
介護保険法が管轄する事業をすると必ず行政と関わらないといけません。
特養のケアマネのやりがいは、入居者のQOL向上です
特養のケアマネは、担当者数が多ければ激務です。
全てを完璧にしようと思えば大変なことになります。
しかし、特養のケアマネはやりがいがあります。
入居者のQOL向上に貢献できる
QOLとは、「生活の質」です。
生活の質とは、生きがいであったり生活が快適であることです。
単純にケアが行き届いているだけでなくコミュニケーションを楽しく取れたり、好きなレクレーションができたり同じ入居者同士で仲良く生活できることが「生活の質」につながります。
現場の職員が多く入居者に関わりますが、入居者の人生背景や今の状況を考えながらどのようにケアするか示すのがケアプランです。
入居者に合わせたケアプランを作ることで生活がしやすいと思ってもらえれば「生活の質」が向上したことになります。
入居者の家族をケアすることで入居者も安心して生活ができる
入居者の家族は、入居者がうまく生活できているか心配です。
ご家族の心配をケアしクリアーにすることで入居者もご家族も安心して生活を送ることができます。
特養のケアマネは法定業務に近い仕事です
特養は、相談業務を行う生活相談員が配置基準になっています。生活相談員は相談業務のみを行います。ケアマネも相談業務ということで同じような仕事をしますが、役割が分かれているのでケアマネがしそうな仕事を生活相談員がしてくれます。
ケアマネの仕事は、イメージで他者に決められることが多いです。ですが、実際の法定業務は限られています。
生活相談員が、機能していればケアマネは法定業務を中心に仕事ができます。
法定業務だけなら居宅より多くの方を担当することができます。
まとめ
- 特養のケアマネは、100人を担当することはできません
- 最近のご家族の要求は高いと感じます
- ご家族とやりとりするだけで業務が増えてしまいます
- 特養のケアマネは、重度の方をみることになりケアプラン作成が難しくなります
- 特養は「終のすみか」なので終末期ケアに関わることになります
- 特養に限らずケアマネの仕事は増えていますが、特養は他の専門職が居宅のケアマネとは違いいることで本来のケアマネ業務に集中することができます
- 特養でもケアマネが現場に入ることになるとケアマネの仕事はほとんどできません
- 仕事に集中できる環境を作れば50人くらいの担当は持てますが、100人をみることはできません
- 100人をみたとしても入居者やご家族と信頼関係を築くことはできません
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